よくあるご質問 FAQ
「放射線」は、高い運動エネルギーを持ち、高速で動き回る粒子線と、波長が長い電磁波の総称です。
一方、放射線を出す物質のことを「放射性物質」といい、放射線を出す能力を「放射能」といいます。
懐中電灯にたとえるなら、放射線は懐中電灯から出る光、放射性物質は懐中電灯本体、放射能は「懐中電灯が光を出す能力」にあたります。
放射線には●粒子線 ・α(アルファ)線 ・β(ベータ)線 ・中性子線 ・電子線 ・陽子線 ・重粒子線
●電磁波 ・γ(ガンマ)線 ・X(エックス)線
などの種類があります。
放射線には、物質を通り抜ける力があります。そのため、人体や物質に働きかけ、分子に影響を与え性質を変化させます。ただ、α線は紙一枚で遮断することができ、β線は薄い金属板で遮断できるといった具合に、透過力は放射線の種類によって異なります。
原子核が放射線を出して壊変すると、放射性物質の量は減ります。放射性物質の量が半分に減るまでにかかる時間を「半減期」といいます。
半減期は放射性物質の種類によって異なり、たとえばラドンの半減期は3.8日、ヨウ素は約8日と短いのですが、セシウムだと30年、ウランは45億年、トリウムは140億年と、きわめて長期です。なお、こうした「物理的半減期」とは別に、「生物学的半減期」と呼ばれるものもあります。
人が放射線にさらされることを「被ばく」といいますが、その形態には「外部被ばく」と「内部被ばく」の2つがあります。
「外部被ばく」とは身体の外にある放射性物質から放出された放射線を受けることです。これに対し「内部被ばく」は、空気や水、食べ物などと一緒に放射性物質が体内に取り込むことによって起こります。外部被ばくの場合、被ばく量は放射性物質からの距離に比例します。一方内部被ばくの場合は、体外に放射性物質が排出されるまで、被ばくが続きます。
放射線や放射性物質は、地球上のあらゆる場所に存在しています。たとえば、放射性物質であるウランは、ウラン鉱山だけでなく、花崗岩のなかや川、海のなかにもあり、コンクリートや御影石などの建材にも含まれています。また、宇宙からも放射線が降り注いでいます。
食べ物にも、カリウム40や炭素14といった放射線物質が含まれています。そのため成人は、一人あたり平均5000~8000ベクレルの天然の放射性物質を持っており、年間約0.3ミリシーベルトの内部被ばくをしていると考えられています。
これをすべて合計すると、人は自然放射線だけで、年間に2.4ミリシーベルトの被ばくをしているといわれています(世界平均)。